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歯の話

VOL.31 歯周病の治療はプラークコントロールから

歯周病の治療は、病気の進⾏具合を適切に把握することから始まります。

歯周病の検査
基本的な検査はプローピングと言って、歯周ポケットの深さを測ることで、細い針(プロープ)を歯周ポケットに入れて、深さを測ります。また、歯の動揺度(ぐらつき)を調べたり、レントゲン撮影をして、歯槽骨の状態を調べる検査も行います。


歯周病


基本はプラークコントロール
歯周病の程度によって、その後の治療プロセスは変わってきますが、全ての基本となるのは、プラークコントロールです。プラークコントロールとは、口の中の歯垢(プラーク)を、正常なレベルに保つことです。

プラーク内の歯周病の原因菌の繁殖を抑え、住みにくい環境にする事で、歯周病の進化を止めることができ、初期の歯周病であれば、治すことが出来ます


セルフ・プラークコントロールとプロフェッショナル・プラークコントロール
プラークコントロールには、患者さんが行うブラッシングによるセルフ・プラークコントロールと、歯科医や歯科衛生士が行う歯石を取り除くスケーリングなどによるプロフェッショナル・プラークコントロールがあります。

歯石は固く、歯にこびりついていて、特に歯周ポケット内に付着した歯石は、プラッシングや歯間ブラシ・デンタルフロスを使っても、取ることはできません。これを除去するには、歯科医院に通って、スケーリング(スケーラーという器具を使って歯石を除去)やルート・プレーニング(キュレットを使用して歯の表面を滑沢にする)をしてもらう必要があります。

その他の歯周病のリスクファクター(危険要因)の排除も含めて、この段階までの処置を初期治療(基本治療)といいます。この初期治療を徹底しなければ、他のどんな治療も効果を得られません。そして、プラークコントロールが歯周病と虫歯の予防にも、大切であることは、言うまでもありません。

進行した歯周病には、外科的治療(歯周外科)が行われます。最もよく行われるのは、歯石剥離掻爬(そうは)手術です。これは、進行した歯周炎の部位の歯肉を剥離し、歯根面に付着している歯石や細菌を取り除き、歯槽骨や歯肉を整形する方法です。また、3mm以上の深さになった歯周ポケットの歯石を取る場合にも切開が必要となる場合があります。外科的処置のタイミングを誤ると、さらに歯周病が進行して、抜歯するしか方法がなくなってしまうこともあります。


VOL.30 歯周ポケット測定

歯周病は、最初は痛みもなく、時間をかけて進行するので、処置が遅れがちです。適切なブラッシングや歯科医院での歯石除去などプラークコントロールによって、予防することが重要であることはこれまで
も書いてきました。 今回取り上げる歯周ポケット測定は、具体的な数値で歯周の状態を把握でき、定期的
に行うことで、予防と早期発見
に役立ちます。

歯周ポケットとは・・・
歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)が歯周病により深くなってしまった状態を言います。


歯肉溝そのものを歯周ポケットと呼ぶこともあります。

健全な歯と歯茎の状態であれば、その深さは、1〜3ミリ程度
ですが、中程度の歯周炎があると3〜5ミリ、歯周病が進行した場合は6ミリ以上になる
ことがあります。

長くても10数ミリの歯の根に対して、6ミリを越える溝ですから、かなり不安定な状態であることは想像に難くないと思います。

歯周ポケット測定


歯周ポケット測定
歯周ポケットの深さは、自分ではなかなかわかりません。歯科医院で専用の器具を使って測定します。

「ポケット探針」、「ポケットプローブ」といわれる、目盛りのついた細い針状の器具を、歯と歯茎の間
に滑り込ませ、溝の底までの深さを読み取ります。1本の歯につき4〜6箇所程度測ります。 出血の有無も
チェックします。通常は痛みはありませんが、腫れなどがある場合多少チクッとした痛みがあります。歯周病の検査では、あわせてレントゲン写真をとります。歯を支えている骨の状態がわかるので、骨がどのように減っているのかを検査します。


4ミリ以上の歯周ポケットがあるときは要注意
4ミリ以上の歯周ポケットに付着した汚れや、その汚れが硬くなって歯石になってしまった場合は、ブラッシングでは取れないので、歯科医院で取り除きます。こうした治療と適切なブラッシングを続ければ、徐々に歯周ポケットは浅くなります。 ポケットが浅くなって歯茎がしまって下がってくると歯の根が見えてきますが、これは歯茎の腫れがひいて、本来の状態に回復したということなので、問題はありません。


自覚症状のない歯周病だけに、進行状態を具体的な数値で把握できる歯周ポケット測定は、有効な予防策です。半年から1年に一度は、検査を受けることをお奨めします。

VOL.29 予約について 時間を大事にして信頼関係を築きましょう。

「予約をしたのに、ずいぶん待たされた」とか、「歯が痛いのになかなか診てくれなかった」という経験がある方は多いと思います。

現在、ほとんどの歯科医院が予約制を採っていますが、一部の専門分野の医院を除いて、新患・急患を随時受け付けているところも数多くあります。


そのなかで、予約の方と随時受け付けの新患・急患の方をどういう順番で診るかは、歯科医院ごとにそれぞれの考えがあるので、一概には言えません。

しかし、仮に予約を最優先にしている歯科医院でも、来院された時点で、ズキズキと激しく痛んでいるような急患の方は、あまりお待たせするわけにはいきません。

予約について

そのことが、時には予約の患者さんのお時間をいただいてお待ちいただくなど、どうしてもご迷惑をおかけすることがあります。もちろん、多くの歯科医院は、予約の患者さんをあまりお待たせすることになりそうであれば、ご説明して、了解を得ることもしております。

逆に随時受付で来られた患者さんも、予約の方の時間をやりくりして診察してもらうことを理解して、多少の時間の余裕をもって来院されると、イライラせずに待てるかもしれません。


予約に関して、患者さんにお願いしたいことは、予約の日時を守りましょう、ということです。

急用で来られなくなった場合も、ご連絡をいただければ、次回の予約をあらためて入れることで診療が途切れてしまうことも防げますし、空いた時間に別の患者さんを診てあげることもできます。


歯科医院は予約の患者さんと随時受付の患者さんをうまく調整して、できるだけお待たせしないようにしながら、治療に最善を尽くし、患者さんは医師の指示と予約の時間を守り、両者が協力して治療を続けていくことで、医院と患者さんの信頼関係も強まり、ひいてはより良い治療につながっていく、ということは言えるでしょう。

VOL.28 バイオフィルム ヌルヌルの内側は細菌の天国

 「バイオフィルムを退治して、歯周病から歯を守ろう!!」などと言うと、よく耳にしそうなキャッチフレーズですが、バイオフィルムとは、実際は何のことか、よくご存じない方も多いのではないでしょうか。今回は少し詳しく説明してみましょう。

 
バイオフィルムとは・・・
歯科や医療の専門の言葉ではなく、微生物や細菌の研究から生まれてきた言葉で、いろいろな分野で使われています。
身の回りを見ても、口の中でなく、たとえば、キッチンのヌメヌメとした汚れとか、花を1週間いけておいた花瓶の内側、川石の表面のヌルヌルなど、いろいろなところで見ることが出来ます。


バイオフィルムってどんなもの?
バイオフィルムは、固い物の表面に細菌が層を成して堆積し、ヌルヌルとなったものです。
しかし単に細胞が集まって増殖しただけではなく、お互いに居心地よく住めるように環境を整えた複雑な集合体なのです。
その集合体の中には、水道管とでも言うべき水路があったり、表面のヌルヌルやネバネバ(細胞の分泌物で作られた脂質や多糖体の膜)が、鎧のように内部の細菌を殺菌剤や抗菌剤などの外敵から守る役割をもつなど、高い機能をもっています。

バイオフィルムは、細菌の働きを利用した浄化システムなどで、我々の生活に役立ってくれている側面もありますが、配管に付いて大腸菌やレジオネラ菌の温床となったり、医学的には、心臓のペースメーカーやコンタクトレンズなどに付着して、感染症の原因となることもあります。歯科の世界では、歯周病やむし歯の原因のひとつであり、歯周病やむし歯はバイオフィルム感染症の一種ととらえることもできるほど、深く関わっています。



バイオフィルムの除去
キッチンのヌメヌメ汚れは、洗剤では簡単に落ちなくて、たわしなどで擦ってやっと落とすことができます。
それと同じように口の中のバイオフィルムも洗口剤などではなかなか落ちませんし、歯ブラシの届きにくい部分・・・歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、詰め物やかぶせ物のまわり、義歯や差し歯のつぎ目や隙間など・・・に付きやすいので、ブラッシングでも完全に落とすことはできません
一番確実に除去する方法は、歯科医院に定期的に通って、歯のクリーニングをやってもらうことです。
機械や専門の歯ブラシを使ってこそげ落とす方法なので、クリーニングの場所によっては、最初のうちは痛みを感じることもありますが、慣れてくれば、すっきりした感じがして、むしろ気持ちいいほどです。

VOL.27 電動歯ブラシについて

 確かな記憶ではありませんが、日本で電動歯ブラシが知られるようになって、すでに20年以上は経っていると思います。年々機能やデザインの優れたものが出てきていて、健康志向も手伝って、愛用者も多くなっているようで、3割近くの人が使っているというデータもあるそうです。今回は電動歯ブラシについて書いてみます。


 電動歯ブラシというとおり、基本的にはブラシを電気の力で動かして歯を磨くものです。どれにしようかとなると、音波式や回転式などいろいろ聞くし、価格を見てもピンからキリまであって、どれが良いかよくわからないと思います。電動歯ブラシのなかで、振動数が毎分約2万6000〜4万回くらいと多い製品は、音波式と呼ばれています。音波式の振動数は音の単位ヘルツ(Hz)に直すと約210〜330ヘルツで、これが人間の耳で聞き取れる領域(16〜2万Hz)=音波、であることからそのように呼ばれています。この音波の高速振動で、ブラシが接していない周囲2〜3mm部分までは汚れを落とすことができるので、軽くあてるだけで磨くことができます。また細菌が歯に付着する原因となる物資(線毛)を破壊する効果もあります。


 比較的安価な電動歯ブラシはこれほど高速ではなく(毎分3000〜1万回)、手動より早く動くだけという感じでしょうか。数百円で買える物などもありますが、数回使うと毛先が広がってしまう、ブラシの交換はできないなど、使い捨てという感じで、あまりお奨めではないかもしれません。


超音波式というタイプもあります。これはブラシのヘッド部分に超音波発生装置が内臓され、この超音波振動で、1.歯の表面に付いたプラークの付着力を弱める、2.音波式同様、細菌の線毛を破壊する、3.歯周組織の細胞を活性化させ、免疫力を高める、4.口内炎を予防する、などの効果があるといわれています。
この方式では、合わせブラシを手で動かして浮いた汚れを落とします。


電動歯ブラシは振動数だけでなく、振動の仕方や振幅によって効果も変わってきて、各社独自性を出しています。回転式というのは、そういったブラシの動き方のひとつです。
便利なものでありますが、普通の歯磨きと違って、振動が頭に響く感じや、くすぐったい感じがするものもありますし、音の大きさ、重くて手が疲れるなど、馴染めない、使いにくいという方もいらっしゃるようです。磨き方にもコツがあります。


一概に手磨きよりも電動歯ブラシが良いというわけではありませんが、特に音波式の歯ブラシなどで磨いた後のツルツル感は、手磨きではなかなかできないものです。歯科医院も相談に乗ってくれると思いますし、ご自分にあったものを見つければ、歯磨きがもっと楽しいものになるかもしれません。

VOL.26 ”第3の歯” インプラント

歯を失ってしまったけれども、再びよく噛むことができるように回復しようとするとき、ブリッジや義歯(入れ歯)という方法に加えて、最近ではインプラントという選択肢も出てきました。
あまり馴染みのない方もいらっしゃるかも知れませんが、日本でもすでに20年以上の実績があり、特別な治療法ではなくなってきています。インプラントは、骨(歯槽骨)のなかにチタンのネジを埋め込んで「人工歯根」として、その上にクラウンをかぶせる治療法です。チタンは歯茎になじみやすく、副作用もありませんし、骨にしっかり固定されるので、安定性にも優れ、かなり硬いものでも噛めるようになります。
また、単独で埋め込めるので、ブリッジのように周りの歯に負担をかけることもありません。バネや止め金などもなく目立ちませんし、外観も普通の歯と区別がつかないほどの仕上がりにできるようにもなってきています。


 インプラント治療は、ブリッジをするのに十分な歯が残っていない、奥歯がない、ブリッジで歯を削りたくない、入れ歯がぐらつく、発音しにくいなど、入れ歯に違和感がある、といった方には、有力な選択肢となる治療法です。


治療期間についてはどうでしょうか。普通の治療と違って、インプラントを埋めた後、骨と結合するのを待つ安定期間が必要となりますので、上あごで6ヶ月から1年強、下あごでも4ヶ月から6ヶ月程度は必要とされています。これらは本数や治療法、患者さんの状態によってかなり変わってきます。


もちろん、インプラント治療にも制約はあります。まず、顎の骨が健全な状態でないとこの術法は使えません。体全体の健康状態によっても適さないケースがあります。また、インプラントの歯には感覚がなく、骨にがっちり固定していて"遊び"がないので、かみ心地などの点で完全に自然の歯と同じではありません。自由診療なので、費用もかかります。


導入をお考えの方に、あわせて肝に銘じてほしいことは、インプラントもアフターケアが重要であるということです。人工の歯だからといって、ケアを怠ると再び病気になることがあります。人工歯なので虫歯にはなりませんが、こびりついた歯垢をきちんと取り除かないと歯周病になる恐れがあるのです。


このようなインプラントの特質を踏まえ、慎重で正確な検査を経た上で、歯科医師に導入の可否を検討してもらうとともに、治療の内容や費用についても十分説明を受け、理解してから導入を判断しましょう。

VOL.25 口内炎のいろいろ

歯を失ってしまったけれども、再びよく噛むことができるように回復しようとするとき、ブリッジや義歯(入れ歯)という方法に加えて、最近ではインプラントという選択肢も出てきました。


あまり馴染みのない方もいらっしゃるかも知れませんが、日本でもすでに20年以上の実績があり、特別な治療法ではなくなってきています。インプラントは、骨(歯槽骨)のなかにチタンのネジを埋め込んで「人工歯根」として、その上にクラウンをかぶせる治療法です。チタンは歯茎になじみやすく、副作用もありませんし、骨にしっかり固定されるので、安定性にも優れ、かなり硬いものでも噛めるようになります。

また、単独で埋め込めるので、ブリッジのように周りの歯に負担をかけることもありません。バネや止め金などもなく目立ちませんし、外観も普通の歯と区別がつかないほどの仕上がりにできるようにもなってきています。








 インプラント治療は、ブリッジをするのに十分な歯が残っていない、奥歯がない、ブリッジで歯を削りたくない、入れ歯がぐらつく、発音しにくいなど、入れ歯に違和感がある、といった方には、有力な選択肢となる治療法です。



治療期間についてはどうでしょうか。普通の治療と違って、インプラントを埋めた後、骨と結合するのを待つ安定期間が必要となりますので、上あごで6ヶ月から1年強、下あごでも4ヶ月から6ヶ月程度は必要とされています。これらは本数や治療法、患者さんの状態によってかなり変わってきます。



もちろん、インプラント治療にも制約はあります。まず、顎の骨が健全な状態でないとこの術法は使えません。体全体の健康状態によっても適さないケースがあります。また、インプラントの歯には感覚がなく、骨にがっちり固定していて"遊び"がないので、かみ心地などの点で完全に自然の歯と同じではありません。自由診療なので、費用もかかります。



導入をお考えの方に、あわせて肝に銘じてほしいことは、インプラントもアフターケアが重要であるということです。人工の歯だからといって、ケアを怠ると再び病気になることがあります。人工歯なので虫歯にはなりませんが、こびりついた歯垢をきちんと取り除かないと歯周病になる恐れがあるのです。



このようなインプラントの特質を踏まえ、慎重で正確な検査を経た上で、歯科医師に導入の可否を検討してもらうとともに、治療の内容や費用についても十分説明を受け、理解してから導入を判断しましょう。

VOL.24 知覚過敏

冷たいものなどを飲んだとき、虫歯でもないのに歯がしみる・・・このような症状の原因の多くは知覚過敏と考えられます。専用の歯磨き剤のコマーシャルなどもあるので、聞いたことのある方も多いと思います。

知覚過敏は、正式には「象牙(ぞうげ)質知覚過敏症」といわれ、虫歯などで歯を削ったあとがしみる場合などとは区別されています。

歯の表面はエナメル質という固い物質で覆われていますが、何らかの原因でエナメル質にひびが入ったり、はがれたり、エナメル質で覆われていない歯の根元部分が露出したりすると、その中にある象牙質の無数の小さな穴(象牙細管)から歯の神経に刺激が伝わり、痛みを感じるようになります。


その原因はさまざまですが、咬み合わせ、歯ぎしり、くいしばりなどで歯の表面を傷める場合、加齢や歯周病などで歯茎が下がってしまう場合、ブラッシングが強すぎる場合や、酸の強い食物を採 りすぎても原因のひとつとなります。また、象牙質が露出していても、前述の象牙細管の穴がふさ がってくれば、刺激が伝わらずしみてきません。


治療方法としては、軽い症状の場合は、丁寧な歯磨きと、場合によっては知覚過敏を改善する歯磨き剤などを利用して治すことができます。その際には柔らかい毛のブラシを使い、決して強く磨かないことが注意点です。しかし、プラークが残っていると、プラークから出る刺激物質で余計にしみることになりますし、しみるからといってブラッシングをおろそかにすると、虫歯や歯周病の原因になっていくので、しっかりとプラークを落とします。

歯磨きや歯磨き剤などで改善しない場合は、歯科医院で表面をコーティングします。薬剤を塗ったり、象牙質が大きく露出している場合は、セメントやレジンなどの詰め物をします。最近ではレーザー治療も有効です。これらの処置でも改善しない場合は、神経を抜かなければならなくなることもあります。


知覚過敏は、軽いうちであれば自分で改善できますし、あまり神経質になる必要はありません。しかし、知覚過敏だと思って放置していたら、見えない奥の部分が虫歯だったとか、しみて歯磨きができなくて、虫歯になってしまうといったケースもあります。気になり始めたら、早めに歯科医院に相談するのがよいでしょう。


VOL.23 乳歯のむし歯

乳歯はどうせ生え替わるから、虫歯になってもいい」などと言う人がいますが、本当でしょうか。
もちろんその考えは正しいとは言えません。


乳歯がむし歯になると・・・
まず、むし歯でにゅう歯に穴が開くと、食べ物が詰まったり、冷たいものがしみたり、痛みを感じたりするようになります。
そうなると子供は徐々に硬いものを嫌い、あまり噛まなくても飲み込める柔らかい食べ物を好むようになります。そのことであまり咀嚼しない習慣がついてしまいます。
口まわりの機能の発達が遅れたり、あごが充分に発育せず歯並びが悪くなる、ということにもなりかねません。
食べる量が減ったり、嗜好が偏るようなことになれば、からだ全体の発育にも影響するでしょう。
さらに、乳歯の下には生える前から永久歯があり、乳歯がむし歯になって、歯根にまで達してしまうと、永久歯のエナメル質や象牙質が障害を受ける恐れがあります。さらに進んで抜歯してしまうようなことになれば、永久歯は目標を失って、正しい位置に生えることが出来ません


乳歯むし歯になる原因
次に乳歯が、むし歯になる原因について見てみましょう。別のコラムでも書きましたが、生まれたときの赤ん坊の口の中には、むし歯の原因菌はいません。多くは、乳幼児期に親から感染すると言われています。スプーンの口移しや、スキンシップのキスが、菌を媒介しています。口の中の細菌は、3歳くらいまでにその構成比率が決まってくるので、それまで虫歯菌に感染しないよう気をつけていれば、その後はずっと虫歯になりにくい口の中でいることができます。

乳児期の虫歯の原因の多くは、哺乳瓶むし歯です。これは哺乳瓶で糖分の多い飲み物を与えることでむし歯になってしまうケースです。哺乳瓶を使うと長時間にわたって、ポタポタと糖分を与えられることになるので、口の中が長時間酸性になって、まだ未成熟な歯を溶かしていきます。就寝中は唾液の量が減り、酸性がさらに長く保たれるので、寝る前の甘い哺乳瓶は、歯にとって最悪の環境を作っていることになります。長時間、哺乳瓶を持たせないようにして、中身を水やお茶に替えていくことで予防策となります。

次回コラムで、幼児期以降の虫歯の原因、乳歯の虫歯の歯科治療について、書いていきます。


VOL.22 奥歯を守るシーラント


奥歯には細く深い溝があって、ブラッシングだけではなかなか完全に歯垢を取り除くことができず、虫歯菌がたまりやすくなっています
今回は奥歯の虫歯予防に有効なシーラントについて書きます。

シーラントで虫歯予防

奥歯は虫歯になりやすい!?
奥歯は、食べ物を噛み砕いたり、すりつぶす働きをしています。1本なくなっただけで、かみくだく能率は約40%も低下するといわれています。
しかし、前述のように虫歯菌がたまりやすいので、虫歯になりやすい歯でもあります。

なかでも乳歯や生えてきたばかりの永久歯は、とても歯の質が弱く抵抗力がないため、よりいっそうのケアが必要です。
6歳ごろから生えるので、「6歳臼歯」とも呼ばれる「第一大臼歯」は、その生える時期がまだお子さんが歯みがきが上手にできない時期であること、かむところの溝が深く物がたまりやすいこと、(虫歯になりやすい)生え始めてから生え終わるまでの期間が長いことなどから、ことさら虫歯になるリスクが高いとされています。

シーラントとは?
6歳臼歯をはじめとして、このような奥歯(特に乳幼児期)の虫歯予防に有効な方法がシーラントです。
シーラントとは、奥歯の溝やくぼみをきれいに掃除をして、再び菌が入らないように、プラスチック系やセメント系の材料で埋めることです。
歯を削ることはなく、きれいに掃除をして埋めるだけなので、痛みもなく非常に簡単な処置です。治療費も決して高価なものではありません。奥歯の虫歯予防も、基本はもちろんブラッシングですが、複雑な溝を埋めることで、歯ブラシも当たりやすくなります。


シーラントの注意点

シーラントは、咬合が完成してくると自然に取れてくる場合がありますので、定期検診を受けてチェックしていく必要があります
(たとえ取れた場合でも元の歯の形が出てくるだけなので問題ありません。)
また、シーラントで予防できるのは、歯の咬合面だけなので、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間から虫歯にならないようケアが必要です。

シーラントは、奥歯の虫歯予防に有効ですが、シーラントだけで完全に予防できるというものではありません。日ごろのブラッシングやフッ素塗布などと、合わせて行うことで、奥歯を虫歯から守りましょう



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