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歯の話

VOL.27 電動歯ブラシについて

 確かな記憶ではありませんが、日本で電動歯ブラシが知られるようになって、すでに20年以上は経っていると思います。年々機能やデザインの優れたものが出てきていて、健康志向も手伝って、愛用者も多くなっているようで、3割近くの人が使っているというデータもあるそうです。今回は電動歯ブラシについて書いてみます。


 電動歯ブラシというとおり、基本的にはブラシを電気の力で動かして歯を磨くものです。どれにしようかとなると、音波式や回転式などいろいろ聞くし、価格を見てもピンからキリまであって、どれが良いかよくわからないと思います。電動歯ブラシのなかで、振動数が毎分約2万6000〜4万回くらいと多い製品は、音波式と呼ばれています。音波式の振動数は音の単位ヘルツ(Hz)に直すと約210〜330ヘルツで、これが人間の耳で聞き取れる領域(16〜2万Hz)=音波、であることからそのように呼ばれています。この音波の高速振動で、ブラシが接していない周囲2〜3mm部分までは汚れを落とすことができるので、軽くあてるだけで磨くことができます。また細菌が歯に付着する原因となる物資(線毛)を破壊する効果もあります。


 比較的安価な電動歯ブラシはこれほど高速ではなく(毎分3000〜1万回)、手動より早く動くだけという感じでしょうか。数百円で買える物などもありますが、数回使うと毛先が広がってしまう、ブラシの交換はできないなど、使い捨てという感じで、あまりお奨めではないかもしれません。


超音波式というタイプもあります。これはブラシのヘッド部分に超音波発生装置が内臓され、この超音波振動で、1.歯の表面に付いたプラークの付着力を弱める、2.音波式同様、細菌の線毛を破壊する、3.歯周組織の細胞を活性化させ、免疫力を高める、4.口内炎を予防する、などの効果があるといわれています。
この方式では、合わせブラシを手で動かして浮いた汚れを落とします。


電動歯ブラシは振動数だけでなく、振動の仕方や振幅によって効果も変わってきて、各社独自性を出しています。回転式というのは、そういったブラシの動き方のひとつです。
便利なものでありますが、普通の歯磨きと違って、振動が頭に響く感じや、くすぐったい感じがするものもありますし、音の大きさ、重くて手が疲れるなど、馴染めない、使いにくいという方もいらっしゃるようです。磨き方にもコツがあります。


一概に手磨きよりも電動歯ブラシが良いというわけではありませんが、特に音波式の歯ブラシなどで磨いた後のツルツル感は、手磨きではなかなかできないものです。歯科医院も相談に乗ってくれると思いますし、ご自分にあったものを見つければ、歯磨きがもっと楽しいものになるかもしれません。

VOL.26 ”第3の歯” インプラント

歯を失ってしまったけれども、再びよく噛むことができるように回復しようとするとき、ブリッジや義歯(入れ歯)という方法に加えて、最近ではインプラントという選択肢も出てきました。
あまり馴染みのない方もいらっしゃるかも知れませんが、日本でもすでに20年以上の実績があり、特別な治療法ではなくなってきています。インプラントは、骨(歯槽骨)のなかにチタンのネジを埋め込んで「人工歯根」として、その上にクラウンをかぶせる治療法です。チタンは歯茎になじみやすく、副作用もありませんし、骨にしっかり固定されるので、安定性にも優れ、かなり硬いものでも噛めるようになります。
また、単独で埋め込めるので、ブリッジのように周りの歯に負担をかけることもありません。バネや止め金などもなく目立ちませんし、外観も普通の歯と区別がつかないほどの仕上がりにできるようにもなってきています。


 インプラント治療は、ブリッジをするのに十分な歯が残っていない、奥歯がない、ブリッジで歯を削りたくない、入れ歯がぐらつく、発音しにくいなど、入れ歯に違和感がある、といった方には、有力な選択肢となる治療法です。


治療期間についてはどうでしょうか。普通の治療と違って、インプラントを埋めた後、骨と結合するのを待つ安定期間が必要となりますので、上あごで6ヶ月から1年強、下あごでも4ヶ月から6ヶ月程度は必要とされています。これらは本数や治療法、患者さんの状態によってかなり変わってきます。


もちろん、インプラント治療にも制約はあります。まず、顎の骨が健全な状態でないとこの術法は使えません。体全体の健康状態によっても適さないケースがあります。また、インプラントの歯には感覚がなく、骨にがっちり固定していて"遊び"がないので、かみ心地などの点で完全に自然の歯と同じではありません。自由診療なので、費用もかかります。


導入をお考えの方に、あわせて肝に銘じてほしいことは、インプラントもアフターケアが重要であるということです。人工の歯だからといって、ケアを怠ると再び病気になることがあります。人工歯なので虫歯にはなりませんが、こびりついた歯垢をきちんと取り除かないと歯周病になる恐れがあるのです。


このようなインプラントの特質を踏まえ、慎重で正確な検査を経た上で、歯科医師に導入の可否を検討してもらうとともに、治療の内容や費用についても十分説明を受け、理解してから導入を判断しましょう。

VOL.25 口内炎のいろいろ

歯を失ってしまったけれども、再びよく噛むことができるように回復しようとするとき、ブリッジや義歯(入れ歯)という方法に加えて、最近ではインプラントという選択肢も出てきました。


あまり馴染みのない方もいらっしゃるかも知れませんが、日本でもすでに20年以上の実績があり、特別な治療法ではなくなってきています。インプラントは、骨(歯槽骨)のなかにチタンのネジを埋め込んで「人工歯根」として、その上にクラウンをかぶせる治療法です。チタンは歯茎になじみやすく、副作用もありませんし、骨にしっかり固定されるので、安定性にも優れ、かなり硬いものでも噛めるようになります。

また、単独で埋め込めるので、ブリッジのように周りの歯に負担をかけることもありません。バネや止め金などもなく目立ちませんし、外観も普通の歯と区別がつかないほどの仕上がりにできるようにもなってきています。








 インプラント治療は、ブリッジをするのに十分な歯が残っていない、奥歯がない、ブリッジで歯を削りたくない、入れ歯がぐらつく、発音しにくいなど、入れ歯に違和感がある、といった方には、有力な選択肢となる治療法です。



治療期間についてはどうでしょうか。普通の治療と違って、インプラントを埋めた後、骨と結合するのを待つ安定期間が必要となりますので、上あごで6ヶ月から1年強、下あごでも4ヶ月から6ヶ月程度は必要とされています。これらは本数や治療法、患者さんの状態によってかなり変わってきます。



もちろん、インプラント治療にも制約はあります。まず、顎の骨が健全な状態でないとこの術法は使えません。体全体の健康状態によっても適さないケースがあります。また、インプラントの歯には感覚がなく、骨にがっちり固定していて"遊び"がないので、かみ心地などの点で完全に自然の歯と同じではありません。自由診療なので、費用もかかります。



導入をお考えの方に、あわせて肝に銘じてほしいことは、インプラントもアフターケアが重要であるということです。人工の歯だからといって、ケアを怠ると再び病気になることがあります。人工歯なので虫歯にはなりませんが、こびりついた歯垢をきちんと取り除かないと歯周病になる恐れがあるのです。



このようなインプラントの特質を踏まえ、慎重で正確な検査を経た上で、歯科医師に導入の可否を検討してもらうとともに、治療の内容や費用についても十分説明を受け、理解してから導入を判断しましょう。

VOL.24 知覚過敏

冷たいものなどを飲んだとき、虫歯でもないのに歯がしみる・・・このような症状の原因の多くは知覚過敏と考えられます。専用の歯磨き剤のコマーシャルなどもあるので、聞いたことのある方も多いと思います。

知覚過敏は、正式には「象牙(ぞうげ)質知覚過敏症」といわれ、虫歯などで歯を削ったあとがしみる場合などとは区別されています。

歯の表面はエナメル質という固い物質で覆われていますが、何らかの原因でエナメル質にひびが入ったり、はがれたり、エナメル質で覆われていない歯の根元部分が露出したりすると、その中にある象牙質の無数の小さな穴(象牙細管)から歯の神経に刺激が伝わり、痛みを感じるようになります。


その原因はさまざまですが、咬み合わせ、歯ぎしり、くいしばりなどで歯の表面を傷める場合、加齢や歯周病などで歯茎が下がってしまう場合、ブラッシングが強すぎる場合や、酸の強い食物を採 りすぎても原因のひとつとなります。また、象牙質が露出していても、前述の象牙細管の穴がふさ がってくれば、刺激が伝わらずしみてきません。


治療方法としては、軽い症状の場合は、丁寧な歯磨きと、場合によっては知覚過敏を改善する歯磨き剤などを利用して治すことができます。その際には柔らかい毛のブラシを使い、決して強く磨かないことが注意点です。しかし、プラークが残っていると、プラークから出る刺激物質で余計にしみることになりますし、しみるからといってブラッシングをおろそかにすると、虫歯や歯周病の原因になっていくので、しっかりとプラークを落とします。

歯磨きや歯磨き剤などで改善しない場合は、歯科医院で表面をコーティングします。薬剤を塗ったり、象牙質が大きく露出している場合は、セメントやレジンなどの詰め物をします。最近ではレーザー治療も有効です。これらの処置でも改善しない場合は、神経を抜かなければならなくなることもあります。


知覚過敏は、軽いうちであれば自分で改善できますし、あまり神経質になる必要はありません。しかし、知覚過敏だと思って放置していたら、見えない奥の部分が虫歯だったとか、しみて歯磨きができなくて、虫歯になってしまうといったケースもあります。気になり始めたら、早めに歯科医院に相談するのがよいでしょう。


VOL.23 乳歯のむし歯

乳歯はどうせ生え替わるから、虫歯になってもいい」などと言う人がいますが、本当でしょうか。
もちろんその考えは正しいとは言えません。


乳歯がむし歯になると・・・
まず、むし歯でにゅう歯に穴が開くと、食べ物が詰まったり、冷たいものがしみたり、痛みを感じたりするようになります。
そうなると子供は徐々に硬いものを嫌い、あまり噛まなくても飲み込める柔らかい食べ物を好むようになります。そのことであまり咀嚼しない習慣がついてしまいます。
口まわりの機能の発達が遅れたり、あごが充分に発育せず歯並びが悪くなる、ということにもなりかねません。
食べる量が減ったり、嗜好が偏るようなことになれば、からだ全体の発育にも影響するでしょう。
さらに、乳歯の下には生える前から永久歯があり、乳歯がむし歯になって、歯根にまで達してしまうと、永久歯のエナメル質や象牙質が障害を受ける恐れがあります。さらに進んで抜歯してしまうようなことになれば、永久歯は目標を失って、正しい位置に生えることが出来ません


乳歯むし歯になる原因
次に乳歯が、むし歯になる原因について見てみましょう。別のコラムでも書きましたが、生まれたときの赤ん坊の口の中には、むし歯の原因菌はいません。多くは、乳幼児期に親から感染すると言われています。スプーンの口移しや、スキンシップのキスが、菌を媒介しています。口の中の細菌は、3歳くらいまでにその構成比率が決まってくるので、それまで虫歯菌に感染しないよう気をつけていれば、その後はずっと虫歯になりにくい口の中でいることができます。

乳児期の虫歯の原因の多くは、哺乳瓶むし歯です。これは哺乳瓶で糖分の多い飲み物を与えることでむし歯になってしまうケースです。哺乳瓶を使うと長時間にわたって、ポタポタと糖分を与えられることになるので、口の中が長時間酸性になって、まだ未成熟な歯を溶かしていきます。就寝中は唾液の量が減り、酸性がさらに長く保たれるので、寝る前の甘い哺乳瓶は、歯にとって最悪の環境を作っていることになります。長時間、哺乳瓶を持たせないようにして、中身を水やお茶に替えていくことで予防策となります。

次回コラムで、幼児期以降の虫歯の原因、乳歯の虫歯の歯科治療について、書いていきます。


VOL.22 奥歯を守るシーラント


奥歯には細く深い溝があって、ブラッシングだけではなかなか完全に歯垢を取り除くことができず、虫歯菌がたまりやすくなっています
今回は奥歯の虫歯予防に有効なシーラントについて書きます。

シーラントで虫歯予防

奥歯は虫歯になりやすい!?
奥歯は、食べ物を噛み砕いたり、すりつぶす働きをしています。1本なくなっただけで、かみくだく能率は約40%も低下するといわれています。
しかし、前述のように虫歯菌がたまりやすいので、虫歯になりやすい歯でもあります。

なかでも乳歯や生えてきたばかりの永久歯は、とても歯の質が弱く抵抗力がないため、よりいっそうのケアが必要です。
6歳ごろから生えるので、「6歳臼歯」とも呼ばれる「第一大臼歯」は、その生える時期がまだお子さんが歯みがきが上手にできない時期であること、かむところの溝が深く物がたまりやすいこと、(虫歯になりやすい)生え始めてから生え終わるまでの期間が長いことなどから、ことさら虫歯になるリスクが高いとされています。

シーラントとは?
6歳臼歯をはじめとして、このような奥歯(特に乳幼児期)の虫歯予防に有効な方法がシーラントです。
シーラントとは、奥歯の溝やくぼみをきれいに掃除をして、再び菌が入らないように、プラスチック系やセメント系の材料で埋めることです。
歯を削ることはなく、きれいに掃除をして埋めるだけなので、痛みもなく非常に簡単な処置です。治療費も決して高価なものではありません。奥歯の虫歯予防も、基本はもちろんブラッシングですが、複雑な溝を埋めることで、歯ブラシも当たりやすくなります。


シーラントの注意点

シーラントは、咬合が完成してくると自然に取れてくる場合がありますので、定期検診を受けてチェックしていく必要があります
(たとえ取れた場合でも元の歯の形が出てくるだけなので問題ありません。)
また、シーラントで予防できるのは、歯の咬合面だけなので、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間から虫歯にならないようケアが必要です。

シーラントは、奥歯の虫歯予防に有効ですが、シーラントだけで完全に予防できるというものではありません。日ごろのブラッシングやフッ素塗布などと、合わせて行うことで、奥歯を虫歯から守りましょう



VOL.21 虫歯になりやすい人、なりやすい年齢、なりやすい場所


同じような生活パターンをしていて、同じものを食べている人でも、虫歯のでき方には差が出てきま
す。虫歯になりやすい、なりにくいについて、いくつかの要因があるからです。


虫歯になりやすい人
まずは、口の中の状態です。歯の質、唾液の量と性質、虫歯の原因菌の量、飲食の回数、などによって変わってきます。
唾液の量が少ない人や、酸を中和するはたらきが弱いというような性質をもつ唾液の人は、虫歯への耐性が低いと言えるでしょう。
口の中に虫歯菌(ミュータンス菌)がいるかどうか、多いか少ないか、も大きく関係します。虫歯は細菌による感染症なので、虫歯菌がいなければ発症しません。
生まれたときの赤ん坊には虫歯菌はいません。多くは、乳幼児期に親から感染すると言われています。スプーンの使いまわしや、時には愛情表現のキスが、菌を媒介しています。周囲の大人が気をつけて、乳幼児期に菌の侵入阻止に成功すれば、一生虫歯の心配のない人生が過ごせるのです。
また、飲食の回数が多ければ、口の中が中性に近づく時間が少なくなり、虫歯への危険度は増します。いつも飴をなめたりしている人は、酸性の状態が続くことになり、それだけ虫歯になりやすいでしょう。


虫歯になりやすい年齢
年齢によっても大きく変わってきます。最初の要注意年齢は、永久歯とくらべて酸に弱い乳歯の生える3歳ごろです。続いて永久歯もはえ始めは酸に弱いので、5〜6歳の時期、特に複雑な形をしていて、生えそろうまで時間のかかる第一大臼歯は要注意です。中学、高校にかけての食生活の乱れも虫歯になりやすい要因です。

さらに年齢を重ね、歯茎が下がり、象牙質が露出するようになると、歯と歯茎のすき間に虫歯ができやすくなります。成人病などで薬を常用していると、唾液の分泌が少なくなることが多いので、その場合も注意が必要です。


虫歯になりやすい人、なりやすい年齢、なりやすい場所

虫歯になりやすい場所
最後になりやすい場所です。歯を磨きにくい部分はプラークが残りやすく、虫歯になりやすいことは
容易に想像できます。具体的には、奥歯上面のかみ合わせ部分(小窩裂溝)、歯と歯茎の境目部
分(歯頸部)、歯と歯の隣接部分
、などです。

唾液の検査は歯科医院で行うことができますし、自分の歯の弱点を知って、予防に役立てること
は、虫歯をできにくくする方法の一つです。

VOL.20 虫歯は感染症


感染症とは?

今回のタイトルの中にある「感染症」という言葉は皆さんご存知だと思います。
辞書で調べると「病原微生物が経口・経皮その他種々の経路により生体に侵入して増殖し、
または毒素を出して起こす病気」とありました。

「虫歯は感染症」とは、虫歯の主な原因であるミュータンス菌(虫歯菌)は、生まれたときから口の中に存在するのではなく、後から口の中に入ってくるものである、ということを指しています。

虫歯菌はどこから感染するの?
では、虫歯菌はいつ、どのように入ってきて感染するのでしょうか。
実は、その侵入源(感染源)は、母親など周囲の大人だと考えられています。
虫歯菌をもった大人から唾液を介して感染し、そのまま棲みついてしまうのです。

虫歯菌はどこから感染するの?
具体的には・・・

1.口移しの食事、硬い食べ物を柔らかく噛みくだいて与える噛み与える
2.スプーンやコップを共有して使う
3.熱い食べ物をふ〜ふ〜して冷ます
4.離乳食を口をつけたスプーンで味見する
5.スキンシップのキス


など様々で、子供のために良かれと思ってしている行為のいくつかは、将来虫歯になってしまうリスクを高めているのです。

感染しやすい時期
子供が虫歯菌が感染しやすいのは、生後1歳半から3歳くらいまでの間だとされています。
この時期を過ぎると感染の可能性はぐっと低くなります。
短い期間ではありませんが、この時期に気をつけることで、リスクはかなり小さくなります。


手入れは日ごろから
日ごろの食生活で、これらの行為を完全にしないようにすることは、かなり難しいでしょう。
しかし、そうしたことが少なければ少ないほどリスクは小さくなるので、心がけることだけでも差は出てくるでしょう。
加えて、周囲の人間の口の中の虫歯菌が少なければ、それだけ感染の確率も減るわけですから、親たちも、

・虫歯があれば治しておく
・正しい歯磨きを励行する
・キシリトールを摂る


など日常から虫歯菌を減らしておく努力も大切です。

しかし、乳幼児期に虫歯菌の感染を防ぐ努力をしたからといって、虫歯になるリスクがゼロになったわけではありません。
ですから、歯磨きをしなくていいとか、たくさん甘いものを食べても大丈夫ということではありません。

今回述べてきた、虫歯菌の感染を防ぐことはとても重要なことですが、あわせて、ブラッシングなどで口の中を清潔に保ち、虫歯菌の栄養源である糖分を摂りすぎないよう食生活に気をつけて、はじめて歯の健康が保てると考えてください。

VOL.19 歯科医療と金属アレルギー


歯の治療における金属アレルギー

金属アレルギーと聞くと、指輪やピアス、男性なら時計やベルトのバックルなどに反応して、かゆみや湿疹、かぶれなどを起こすというような症状を想像される方が多いと思いますが、歯科医療の分野でも、金属アレルギーの問題が取り上げられるようになってきました。ご存知のとおり、歯の治療には、被せ物詰め物などに金属が使われることがあります。これらの金属がアレルギーの原因となることがあります。


金属アレルギーの仕組み
金属アレルギーが起こる仕組みを簡単に説明しましょう。
金属がイオン化してからだの中に入ると、人間が本来持っている免疫力で、抗体が作られます。(抗原抗体反応)その後、その金属が体に入ると拒絶反応を起こすのですが、その際、体にも炎症や障害をもたらしてしまうことがあり、これが金属アレルギーです。

歯科医療における金属アレルギーでは、口の中に金属がイオン化して溶け出し、これが金属アレルギーの原因となります。花粉症と同じように、今まではなんともなかったのに突然発症したり、口の中以外の場所に症状が出たりすることもあるので、口の中の金属が原因と分かりにくいケースもあります。


口腔内の金属アレルギーのリスクを下げるには


  1. 溶け出しにくい金属を使う
    (溶け出しやすい金属=ニッケル、コバルト、パラジウムなど。)
    (溶け出しにくい金属=金、銀、プラチナ、チタンなど。)
  2. できるだけ同一の金属を使う
    (種類の違う金属が存在するとアレルギーを起こしやすいという調査結果があります。)
  3. 金属を使用しない
    (セラミックなどを使用。)


また発症した場合には、原因となった金属をつきとめ、その金属を取り除き、今後は避けることでアレルギー反応を鎮め、再発を防ぎます。ほかのアレルギーにも言えることで、アレルギーの発症を予見することはとても難しいのですが、医師などにも相談して、ご自身の体質をよく把握しておくよう心がけましょう。

VOL.18 歯周病は静かに深く進行する


歯周病って?

歯周病は、以前は歯槽膿漏(しそうのうろう)といわれることが多かった疾患で、その進行度合いで「歯肉炎」、「歯周炎」とも呼ばれます。
読んで字のごとく、歯肉や歯槽骨といった歯の周りの歯周組織が炎症を起こす疾患で、虫歯のように歯そのものを侵す病気ではありません。歯周病はひどくなると歯を失うことになるのですが、最初は痛みもなく、時間をかけて進行するので、処置が遅れがちです。「歳を取ると歯が抜ける」とよく言われがちですが、必ずしも歳をとると自然に歯が抜けるわけではありません。

歯肉炎
歯肉に炎症がおこった状態を「歯肉炎」といい、これがもっとも軽度な歯周病です。

歯周炎
炎症がおこると歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)が深くなります。この深くなった溝を歯周ポケットといい、プラークがたまりやすく、除去しにくいので、歯周病菌にとっては繁殖しやすい格好の棲家となります。歯周ポケットが深くなり、セメント質や、歯根膜といった歯周組織まで炎症が広がると、「歯周炎」と呼ばれる状態となります。


手入れを怠ると・・・
歯周病では若いうちに発症していることが多く、若いうちのケアを怠った結果、歳を取って歯を失うということもあるのです。
歯肉溝の深さは、歯周病の進行と密接に関係しているので、進行の度合いの目安となります。
健全な歯肉では、歯肉溝は1〜3mmしかありませんが、歯周病が進むと5mm以上ひどいときには10mm以上にもなることがあります。そして、もっともひどい状態になると歯の土台骨である歯槽骨を溶かし、土台を失った歯はグラグラになり、やがて抜け落ちてしまいます。


プロによるメインテナンス

歯周病予防においても、日ごろからブラッシングなどのケアに努めて、プラークを取り除き、
必要に応じてプロフェッショナルによるスケーリング等で、健康な歯肉の状態を保つ
ようにします。

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