VOL.38 歯周病は生活習慣病
「歯周病は生活習慣病」とよく言われていますし、歯周病と糖尿病などほかの生活習慣病の関係においては、お互いの治療がお互いの症状改善になる、などの例も報告されています。
ひと口に「生活習慣」といっても意味が広すぎてわかりにくいので、今回は歯周病に影響を及ぼす生活習慣を整理してみたいと思います。
まずは食事=食習慣についてみてみます。 |
一日三回の食事はできるだけ規則正しく摂るようにします。お口の中の衛生状態を悪くしがちな間食を減らす効果が期待できます。
つぎに食事以外の日常生活では、ストレスをためないよう、規則正しく、睡眠も⼗分にとる生活を心がけます。余分なストレスはからだの抵抗力を低下させますし、ストレスが原因の歯ぎしりや食いしばりが歯を傷め、歯周病の進行を早めてしまう可能性もあります。
適度な運動は歯周病や全身の健康によい方向に作用します。からだの抵抗力が高まりますし、歯茎を含め全身の血行がよくなるので、歯周病の進行を遅らせます。
喫煙の習慣も歯周病予防にはよくありません。ニコチンは歯に歯垢を付着させやすくし、免疫力も低下させるといわれています。また、喫煙は血管を収縮させて歯肉の血行を悪くします。歯肉の炎症を起こしていても、ブヨブヨしないうえ、出血も見られないので、発見が遅れがちになります。
煙草を吸っている人は吸わない人に比べて重度の歯周炎になる確率が5~7倍高く、進行速度も平均20年早いと言われています。
いろいろ慌ただしく、ストレスを抱えている方も多いと思われれるので、ここに挙げたすべてを実践するのは難しいと思います。しかし、どういったことが歯周病やからだの健康に良くないかを以前より意識して、少しずつやってみていただければ、その積み重ねが大きな差となって出てくるかもしれません。